前回の記事【プラスチックごみ問題について①】では、プラスチックごみ問題について問題視されている背景や課題をまとめてみました。本記事では「日本のリサイクル率」を見ていきます。

日本のプラスチックごみのリサイクル率は高くない!?

輸出規制が導入され、大きな処理先を失った事で国内処理量が増加する事が余儀なくされております。日本のプラスチックごみのリサイクル率はご存じでしょうか?プラスチックリサイクルの話題になると、日本は「海外より遅れている」という意見もあれば「日本は昔からプラスチックの分別回収をしているから、海外より進んでいる」という意見もあります。一体どちらが正しいのでしょうか?


プラスチックごみの処理方法には、大きく分けて3つの種類があります。

①マテリアルリサイクル
プラスチック類の材質を活かし、再び原材料として再利用し、他の製品や別のプラスチック材料として活用する方法
②ケミカルリサイクル
プラスチックごみを化学処理し、化学原料とする再生方法
③サーマルリサイクル
プラスチックごみの熱エネルギーとしての性質に注目し、熱源として利用する方法

容器包装類プラスチックごみの資源有効利用率(リサイクル率)は、84.8%とされており、世界トップクラスとなる数字です。この内訳の中に③サーマルリサイクルが57%含まれております。(※サーマルリサイクルとは焼却時に発生した熱を回収し、熱源利用する内容のリサイクルです。) この「サーマルリサイクル」という言葉は「和製英語」で、正しくは熱回収(Energy Recovery)といいます。リサイクルの現状を国際的に比較することは難しいのですが、加盟各国の都市ごみ(Municipal Waste)の処理手法を比べてみても、日本は突出してサーマルリサイクルが多い状況です。

私たちにできることは?

「捨てればごみ、分ければ資源」と言われますが、プラスチックごみも、しっかり分別すれば資源としてリサイクルすることが可能です。日本ではプラスチックごみを分別回収し、リサイクルする社会構造もできております。しかしながら上述した通りまだまだサーマルリサイクルに日本は依存している状況だと言えます。
分別すればマテリアルリサイクルできるものがサーマルリサイクルへ回っているプラスチックごみはありませんか?
 もっとプラスチックごみを有効に、賢く利用することで、海のプラスチックごみも減らすことができるはずです。日本では当たり前に使われているプラスチックですが、世界ではプラスチック使用量を削減する取り組みが進んでおります。

私たちも、プラスチックごみに関心を持ち、リサイクルを更に促進する事が今後求められるでしょう。

マツダ株式会社として

私たちマツダ株式会社は古紙と廃プラのリサイクル事業で培った知識とノウハウを活かし、このプラスチックごみの問題により深く取り組むことで、更に広いステージでのビジネス展開を図っていきたいと考えています。
具体的にはリサイクル化をさらに推進していく為、兵庫県尼崎市にペレタイズ工場を新設し、廃棄プラスチックを原料化する機械を導入致しました。
この度、当社が導入した「カッター一体型高速ペレット化設備」は粉砕機と押出機が一体となった製品で、プラスチックの粉砕からペレット生産までを一括して行うことができます。
ペレットとは、リサイクル製品の原材料となるもので、ストレッチフィルムやペットボトルなどのプラスチックを細かく砕いて異物を除去・洗浄・乾燥し、粒状にしたものです。
自社工場内で、回収された廃プラスチックを仕分け、破砕・粉砕、大型タンブラーによる均質化を施し、ペレタイザーを活用してその素材に合ったより高品質なペレットの製造に努力しています。
私たちはペレタイズ事業を通じ、数多くの企業様や行政、市民の皆様と連携・協力することで、廃棄物の軽減と資源の有効活用に貢献し、持続可能な循環型社会へと繋がることを目指していきたいと考えています。
目次

・日本のプラスチックごみのリサイクル率は高くない?

・私たちにできることは

・マツダ株式会社として