産業廃棄物を収集・運搬する際に、都道府県をまたいで運搬するケースがあります。

例えば、A県で産業廃棄物を収集し、B県をまたいで、C県の処分場まで運搬するケースです。

このようなケースでは、法律だけでなく各自治体の判断による部分が大きな割合を占めており、きちんと把握しておく必要があります。

そこで今回は、産業廃棄物の収集・運搬で越境する際に役立つ情報を以下について紹介していきます。

  • 産業廃棄物の越境委託に係わる事前協議とは?
  • 法律で定められた産業廃棄物の積卸し・積替保管のルール

「産業廃棄物の収集・運搬を越境する際のルールについて知りたい!」という方に役立つ記事になっているのでぜひ最後まで参考にしてみてくださいね!

産業廃棄物の〝越境委託に係わる事前協議〟とは?

「産業廃棄物の越境委託に係わる事前協議」とは、都道府県の境を超えた他地域より中間処理や最終処分を行う目的で産業廃棄物搬入する場合に、受入先または排出側の都道府県などに事前の届出や協議を行うことです。すべての都道府県で必要ではありませんが注意は必要です。

産業廃棄物の運搬などを越境すること自体は問題ではありませんが、行政が産業廃棄物の品目や量を把握して、不適正処理を防ぐ目的から実施されています。

産業廃棄物の越境委託に係わる事前協議には、法律のように全国で共通したルールがないため注意が必要です。

事前協議が必要な品目や書類、提出期限・方法など各自治体によって様々です。

通常であれば、産業廃棄物を受け入れる自治体が協議を求めるケースが多いですが、排出側の自治体が協議を求めるケースもあります。

そのため、廃棄を行う前に各自治体の条例による規定や指導要綱を確認しましょう。

例えば岩手県のケースを例にあげてみます。

産業廃棄物の搬入基準への適合から、最終処分1トンにつき500円などの環境保全協力金納入制度、立ち入り検査などさまざまな条件を定めております。

また、平成15年より青森県・秋田県・岩手県の北東北三県でも同一の条例を実施しています。

  1. 排出事業者…搬入30日前までに事前協議書及び契約の申し出
  2. 自治体…審査の実施
  3. 自治体…基準適合・不適合の通知と契約書の送付
  4. 排出事業者…産業廃棄物の搬入開始
  5. 排出事業者…年度末・搬入終了後に搬入実績の報告
  6. 自治体…環境保全協力金の算定
  7. 自治体…納入通知書の発行
  8. 排出事業者…環境保全協力金の納入

【参照】県外産業廃棄物の搬入に係わる事前協議等に関する制度|岩手県

上記このように、産業廃棄物の越境委託に係わる事前協議には各自治体ごとにルールが決められているので、各自治体のルールを事前に把握しておく必要があります。

産業廃棄物の越境ルールは?積卸し・積替保管のケース

Law concept – law book with a wooden judges gavel on table

ここからは、産業廃棄物の越境についてのルールを詳細に見ていきましょう。

前述したように〝越境委託に係わる事前協議〟は全国で統一されたルールがないので、各自治体の判断をしっかりと把握しておくことが大切と解説しました。

そしてもう1点把握しておきたいのが〝明確な基準〟です。

産業廃棄物処理法14条1項を見てみると、以下のように定められています。

(中略)収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を得なければならない。【引用】廃棄物処理法14条1項

上記の法律から、【産業廃棄物の運搬のみ】を実施する場合は、廃棄物の積込と荷卸しを行う区域の許可が必要です。

例えば、A県で産業廃棄物の積み込みを行い、B県を通過して、C県で荷下ろしをするケースです。

このケースでは、A県とC県の収集運搬許可が必要ということになり、通過するだけのB県の許可は不要ということになります。

また、【積替保管】を実施する場合は、その区域の積替え保管の許可が必要になります。

例えば、A県で産業廃棄物の積み込みを行い、B県で積替え保管をして、C県で荷下ろしをするケースです。

このケースでは、A県とC県の収集運搬許可とB県の積替え保管を含む収集運搬許可が必要ということになります。

このように各自治体のルールの他に、法律についても事前に把握しておくようにしましょう。

まとめ

都道府県を超えての産業廃棄物の収集や運搬は、許可以外の全国統一のルールが定められていません。

ですので、廃棄する前に関係する自治体のルールをきちんと確認しておく必要があります。

各自治体の判断の他に、越境できる条件も異なるので事前にを確認すると共に法律についても把握しておくことが大切です。

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